身代わりの姫
「私、先に休みますわ」
手紙を読むのを止めて、隣の寝室に行った。
よく分からない胸のざわつきにイライラしたが、疲れていたのか、すぐに眠りに落ちた。
翌朝、ゆっくりと起きると、ジルはすでに起きて、入浴したようだった。
早速、側室………?
昨日の手紙を思い出して、何かイライラするような思いにとらわれたが、おはよう御座います、と声をかけた。
振り向いたジルが笑って言った。
「起きたか?兵士の訓練に付き合ってきた。
朝から汗を流すのは、心地良いな」
「楽しそうですわね」
「朝食にしようか?」
「軽いもので………」
用意されたサラダを食べて、お茶を飲んだ。
午前中は侍女と昼食会の準備をした。