身代わりの姫


部屋に戻り、ドレッサーの前に座った。

確かに、リリア様と似ている顔。


影武者となるからには、自分の人生では無くなるのだ。

女性が体の関係を持つことを禁止されているのも、その為であるが、姫が、結婚して体の関係を持ったなら、影武者もどこかで体の関係を持つことになるだろう。


姫の影武者として、どのような生活になるのか、想像もつかない。


不安ばかりが、頭をよぎる。



他国に嫁いだなら、どうなるのか。
変装して着いて行くのか。



いつまで?………一生?

考えているうちに、陽が傾いていた。


夕方から、レオの妻のエルザと紺のドレスに着替え、髪もセットしてもらい化粧もして、頭から青のベールをかぶった。


< 17 / 279 >

この作品をシェア

pagetop