身代わりの姫
全員との握手を終え、王が
「よろしく頼むぞ」
と言うと、全員が礼をする中、王、王太子、私と続いて退室した。
後宮に戻ると王が言った。
「完璧だった。アリアは大丈夫か?」
「大丈夫ですわ。でも、これが他国でリリアなら、こんなに怖いことはないです」
そう言った私の言葉に答えたのは王太子だった。
「言いたいことはわかる。
アリアなら、大丈夫なのか?」
「多分、私なら引き倒すことも出来るでしょうし、本物の王女が傷つくリスクも回避されます」
「私はリリアもアリアも無事でいてほしいわ」
王妃が、そう言って私を抱き寄せた。
「ありがとう御座います。
私に、リリアを守らせて下さい」
その言葉は王にも王太子にも聞こえたようで、私は順に抱きしめられた。
リリアはよく眠っていたが、リリアのバスルームを使うよう言われていたらしく、マアサが案内してくれて、ゆっくりと風呂に入ったあと、自分の部屋で眠った。
明日は、成人のパーティー。
リリアの侍女として、私は、側にいる。