身代わりの姫


ふと、前にたった人が、アリア、と声なく呟いた気がして、顔を見た。


差し出した手が、止まったが、それをそのまま取られた。




シリル………



私の手に唇をあてて、そっと手を離すのを見ていた。




祝の品を渡しながら、フ、と悲しそうに笑った顔を見てしまった。




一連の流れには沿っていたようで、すぐに次の護衛隊員が来ていた。








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