冷愛冷涙-Reiai Reirui-


マンションの下で倖を待ってると、すぐに来た。


どーせ近くから電話かけてきたんだろーな。


俺が強引に断っても、〝家の前までいるの〟とか言い訳つくるために。


何回かその手に引っ掛かったからわかる。


「れーいっ!」


ベタベタベタベタ俺を触ってくる。


「触んじゃねぇよ」


パシンと腕を振り払うと、倖は醜い顔をさらに歪める。


「話したいことがあるから冷ん家入りたい」


………うぜ。


「ここでいいだろ。さっさと話せブス」


コイツの顔を見てるだけでイライラする。


「ブス?松永愛の方がよっぽどブスでしょ」


嘲笑する倖。
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