冷愛冷涙-Reiai Reirui-
**
近くにあった、小さなおしゃれなケーキ屋さんに入った。
私はチョコレートケーキを、お母さんは抹茶ケーキを頼んだ。
「愛、1日遅れたけどお誕生日おめでとう」
「ありがとう。よしっ、食べよっ」
私は不安を掻き消すかのようにケーキを口一杯に頬張った。
「美味し~っ」
久しぶりにケーキ食べた。
母子家庭だからお金だって余ってるわけじゃないから。
裕福な暮らしはできないもん。
だから、年に1回。
1回だけこうやってケーキを食べる。
「美味しいわね」