冷愛冷涙-Reiai Reirui-
同じように繊細な湊斗は、冷に冷たく言われて傷ついたような表情を浮かべた。


「なぁ冷。例えば人が死んで、その人のことが大好きだとするよ。そりゃ、そのことを他人に相談してもその死んだ人は生き返らねぇよ?でも、悲しみは少しは癒えると思うんだよ」


例えてから気づいた。


〝大好きな人が死んだ〟なんていう例えが冷にとっては最悪なものだってことに。


「てめぇ死ね」


冷は俺でもゾッとするほど凍った視線と言葉を俺に突き刺して幹部室から出ていった。


完全に冷を怒らせた。


というか、傷をえぐった。
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