冷愛冷涙-Reiai Reirui-
「………」


傷つけてしまった。


『ごめんね、愛。お母さんは泣くべきじゃなかったのに。ごめん。ホント…ホント…母親失格ね!やになっちゃう……っ。ごめん…』


また…お母さんを傷つけてしまったんだ……。


震える声を隠そうとしているのが丸わかりだった。


「ごめん…っ」


それ以上お母さんの声を聞くことはできなかった。


胸が痛い……っ。


「うぅっぅ」


昨日散々泣いたはずなのに、また涙がボロボロ零れてくる。


「っあっぁうっ」


私が病気になったばかりに。


お母さんを傷つけていく。


素直に…治療を受けることにすれば良かったんだろうか……。


でも……。


できない…。
   

できないよ…。


「おか…っあさん……っっ」


ごめんなさい……。


こんな娘でごめんなさい……。
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