冷徹社長の容赦ないご愛執
「こっちこそ、いい店を紹介してもらった」
「気に入っていただけて、よかったです。
それでは」
「お疲れさまでした」と目礼をすると、少しだけ目を細めた社長の視線に引き止められた。
「佐織」
私を見つめる瞳に唐突に心臓を掴まれ、そのまま不意に呼びつけられた名前に、胸が苦しくなるほどに強く叩かれた。
ロングコートのポケットに両手を引っかけ、暗闇の中、外灯の明かりだけでも十分な存在感を醸す見目麗しき長身。
「これから、よろしく」
今朝のおざなりな挨拶とはまったく違う“よろしく”に、社長の意外な一面パート5をカウントする。
一緒に食事をしただけで、二歩も三歩も距離が縮まった気がする。
「は、はい……っ、こちらこそ、よろしくお願いします!」
向こうの国では、ファーストネームで呼ぶのが一般的だ。
だから、社長は他意なく私を呼んだにすぎない。
でも、ここは日本だ。
日本という郷に入ってきた社長が、郷に従い日本語で話しをするから、それが特別な呼び方に聞こえてしまったじゃないか。
「気に入っていただけて、よかったです。
それでは」
「お疲れさまでした」と目礼をすると、少しだけ目を細めた社長の視線に引き止められた。
「佐織」
私を見つめる瞳に唐突に心臓を掴まれ、そのまま不意に呼びつけられた名前に、胸が苦しくなるほどに強く叩かれた。
ロングコートのポケットに両手を引っかけ、暗闇の中、外灯の明かりだけでも十分な存在感を醸す見目麗しき長身。
「これから、よろしく」
今朝のおざなりな挨拶とはまったく違う“よろしく”に、社長の意外な一面パート5をカウントする。
一緒に食事をしただけで、二歩も三歩も距離が縮まった気がする。
「は、はい……っ、こちらこそ、よろしくお願いします!」
向こうの国では、ファーストネームで呼ぶのが一般的だ。
だから、社長は他意なく私を呼んだにすぎない。
でも、ここは日本だ。
日本という郷に入ってきた社長が、郷に従い日本語で話しをするから、それが特別な呼び方に聞こえてしまったじゃないか。