世界できっと、キミだけが
私が、宇都木幸子として身代わりをしていること――――。
でも、どうして学校にこんなものが。
宇都木のお屋敷に届くならまだしも。
それか、私の事がばれているならアパートとか。
そうじゃなくて、学校になんて…。
ここにいれられる人物って…。
生徒とか、先生とか。
でも。そんな事って。
「どうしたの?紗千、顔色が悪いけど…」
「えっ、あ、ごめん。なんでもない」
「なんでもって。その手紙のこと?差出人も書いてないし、確かに不気味だよね。先生に相談してみる?」
「いいっ。大丈夫だよ。ただの悪戯だって。そんな大した秘密なんて持ってないし」
大事にしたくない。
事態を悪化させるだけのような気がする。
でも、どうしたら。
竜に相談…?
出来ない。
私のわがままに付き合わせて怪我をさせてしまったばかりだもん。
それに、これが宇都木と関係のあることかどうかはわからないんだし。
もし違ったら、竜にとっては契約外の事だ。