世界できっと、キミだけが
「…って、自分で考えて自分で傷ついてたら世話ないよね」
「え?なに?紗千…?」
「ううん。独り言」
私はその紙をポケットの中に押し込む。
誰の仕業か、どうにか調べられたらいいけど…。
なんだか、怖い。
知らない誰かに見張られているみたい。
その日は、ビクビクと落ち着かない一日を過ごした。
「久しぶりの学校で、なんでうかない顔をしてる」
「え…」
学校を終え、迎えてくれた竜の車に乗り込むと開口一番にそう言われた。
浮かない顔って、なんでわかるの。
なんか悔しい。
「別に…。気のせいでしょ」
「そうか?」
私になんか、興味ないくせに。
竜はそれ以上気にも留めず車はゆっくりと動き出した。
「竜は私が学校にいる間どこにいるの?」
「そんな事、今まで気にしたことないだろ」
それはそうだけど。
それは、今まではただの憎たらしいやつって印象だったから。
今は、仮にも好きな人だし。