世界できっと、キミだけが
でも、だからこそ。
竜の立場を悪くしたくない。
「あの!私、平気です。やります」
「…っ!?お前、正気か!?」
「うん。だって、それが私の仕事だもん。竜だって言ってたじゃない。仕事はちゃんとやるべきだって」
「それとこれとは話が」
「同じだよ。私は幸子お嬢様としてやるべきことをする。怖いけど、竜がいてくれるんでしょう?」
本当は震えそうなほどに怖い。
何度も怖い思いをした、痛い思いもした。
逃げ出したい。
いきたくない。
怖い。
でも。
好きな人の事を護りたい。
そう思うのも本当。
私がちゃんとすることで、竜の立場が護れるなら。
「本人はやる気のようだ。不満があるのなら、ボディーガードは別の者に任せる」
「…やります。他の者になんか、預けません」
「そうか。いい返事が聞けて良かったよ」