世界できっと、キミだけが

笑ってバイバイってしたいもん。
だから。
こうするしかないじゃん。



｢は―あ、せいせいする！こんな堅苦しいお嬢様生活、やっぱり向いてなかったわ｣

｢だろうな。騙されてる奴等がバカだ｣

｢言ってくれるわね！」




ムッと睨みつけてやると竜はフッと笑った。
そんな風に笑ってくれるようになった。
それだけで十分。




｢…ほんとに行くのか｣

｢うん。お世話になりました！」

｢社長が言ったように個人的に契約するってのは…。久住さんには俺からも頼んでみる｣

｢大丈夫だって！｣



ほんと、心配性なんだから。
でも、これからは、幸子お嬢様の事だけを考えてあげられるね。



｢なにかあったら竜に連絡する！それでいいでしょ？｣

｢…小さな違和感でも必ずしろよ｣

｢うん｣



でも、きっとできないけど。
邪魔したくない。
巻き込みたくないもんね。
これ言ったら、絶対に怒られる奴だけど。