世界できっと、キミだけが


「結構弱いんだね。持ち上げるのは難しそうだ」

「そうですね。結構難易度高いですね、これ」




浩一さんはそう言うと、呆気なくその機械を諦め次の機械へ移動する。



「一回でいいんですか?」

「見極めって大切だよね。引き際を間違えると、取り返しのつかないことになる」




なんだか、仕事のできる男の人って感じだ。
浩一さんは年上で、のちに会社を引き継ぐ御曹司。

そういう戦略とか、仕事の上でも大切なんだろうな。

でも、こういう遊びでそんな事を考える人ってあんまりいないよね。
無理だ次々って軽く考えることはあるけど、そこまで難しく考えないというか。




「最初は、これくらいの方が取り掛かりやすそうだな」

「あ、本当ですね。これは結構取りやすいやつですね」



浩一さんが見つけたのは、お菓子を救って動く機械の上に落として押し出して落とすというもの。
これなら、豪華な賞品ではないにしろ、取れる喜びは感じられる。



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