世界できっと、キミだけが
浩一さんと、カフェでお茶を終えた後友だちとたまに行くゲームセンターに行った。
それこそ、浩一さんなんかを連れて行くような所ではないと思うのだけど、話の流れで行くことになってしまった。
浩一さんはとても好奇心旺盛な人みたいだ。
そして、臆することなく新しい場所に入っていける気さくな人。
そんな気さくさは、竜にはないなとふと比べてしまう。
「これはどこを狙えばいいのかな?」
「頭の方を持ち上げる感じですかね?いや、でも、私も得意な方じゃなくて」
「とりあえず、やってみよう」
無邪気にそう言うと、浩一さんは機械にお金を投入し、ボタン操作をしていく。
ウィーンと機械音を立てながらアームがクマのぬいぐるみめがけて移動していく。
「ここら辺かな?」
浩一さんは真剣な目で、最後のボタンを押した。
ゆっくりと降りていくアーム。
クマの頭辺りをゆっくりと持ち上げていく。
しかし、アームは弱くあっけなくその頭は元の場所へ落ちた。