世界できっと、キミだけが


「キャ!?なに!?浩一さん!」

「…っ」


ずるっと、私の身体からずり落ちていく浩一さんを必死に支える。
いつの間にか、数人の男に取り囲まれていた。



「な、なんなの…」

「悪く思うなよ」




そう言って男は、木の棒を再び振りかざす。




「やめ…ろ…!」




浩一さんが苦しそうに顔を顰めながら手を伸ばす。
だめ、これ以上!

私は浩一さんに覆いかぶさり、護るように身をかがめた。


その瞬間、頭に激痛が走り、私はくらっと世界が回り意識が遠のいていく。




いったい何が起きたの…?




この人たちはいったい誰で、なんの目的で…?





わからない。
だってもう私は、宇都木とは何のかかわりもないはずなのに――――――。





< 245 / 312 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop