世界できっと、キミだけが
「竜も、もう帰っていいよ」
私は自分の病室に戻りベッドに横になった。
結局、浩一さんの優しさに甘える形になってしまった。
もっと責めてくれてよかったのに。
その方が、ずっと楽…。
私、ただ私が楽になりたいだけなんだ。
「もう少し、ここにいる」
「え…」
「お前、一人になったら余計なこと考えそうだし」
「余計な事って…」
竜にも、きっとすごく心配かけてしまった。
契約はもう終わってるのに、助けに来てくれたんだよね。
竜だって、きっとずっと信じてた仲間だった吉沢さんに裏切られた形になって辛いはずなのに。
「お前に、酷いことを言ったんじゃないのか?」
「え…?」
「吉沢の奴。俺がついてあいつに会った時も、…酷い言いようだったからな」
「そう…なんだ」
竜にも、取り繕う事もしなかったんだ。
全て、諦めてしまったんだろうか。
竜への気持ちも全部。