世界できっと、キミだけが


「あの」



ずっと側で黙って動向を見ていた竜が口を開いた。
浩一さんはベッドの上で横になったまま竜の方に視線を向ける。



「紗千を護ってくださり、ありがとうございます」

「竜…」

「本来なら、俺が護らなくてはならなかったのに。本当にすみません」




竜はそう言って深々と頭を下げた。




「やけるなぁ。やっぱり僕には入る隙がないんだって思い知らされるよ」

「え…?」

「鹿島くんだっけ。君自身は自覚ないみたいだけど、こっちからしてみたら気持ちダダ漏れだからね」

「はい…?」




ケタケタと浩一さんが笑う。
私は意味が解らず首をかしげた。



「あの…」

「いや。うーん。そうだな。けがが完治するまで毎日お見舞いに来てよ。それで許してあげる」

「浩一さん…。そんなの、もちろんです!毎日来ます!」



そんなので許されるなんて思えないけれど。
それでも、浩一さんがそう言うなら。
私にできること全部したい。



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