世界できっと、キミだけが
それから、浩一さんとの約束通り毎日病室に通った。
浩一さんはいつだって笑って私に話しかけてくれる。
私の方がお見舞いに来ているはずなのに、気遣われているように感じる。
「さっきまで父が見舞いに来てくれてたんだ」
「お父さんが…。あの、私お父さんにもお詫びを…」
「言うと思った。けど、それはいいよ。別に、父も紗千さんを責めたりはしていないし。むしろ、女の子なのに怖い思いをしてって言ってたくらいだから」
浩一さんのお父さん。
宇都木社長と同じ、会社を経営している社長さん。
でも、宇都木社長とは違う。
宇都木社長は、きっとそんな風には言ってくれない。
「それに、むしろもっとちゃんと守れって怒られたくらいだ」
「ごめんなさい…」
「ははっ。紗千さんは謝ってばかりだな。これ、笑う所なんだけど」
「はい…」