世界できっと、キミだけが
「紗千さんは、明日退院だっけ?」
「あ、はい」
私の怪我は本当に大したことはなく、酷かったのは最初に殴られた頭の傷くらい。
それも、頭の傷だから血が多かっただけ。
「浩一さんはもう少しって聞きました」
「うん。でも、すぐだよ。腕の骨折はまだ完治は先だけどね」
「不便ですよね」
「まぁ、多少はね。でも、別にサークルに入っているわけでもないし、日常生活が多少不便になるだけで問題はないよ」
浩一さんはそう言ってくれるけど…。
落ち込む私を見て浩一さんは息を吐いた。
「…紗千さん。退院したら、僕は君と会うのをやめようと思う」
「え…?」
「僕を見ると、君は申し訳ないとか辛いことを思い出すみたいだから。側にいるのは、紗千さんにとって良くないと思うんだ」
「そんな…」
それは結局、私のためで。