世界できっと、キミだけが


「だって、紗千の未来なんだよ?別に、どんな理由で未来を決めたっていいじゃん」

「…うん」

「紗千が言ってたじゃん。魔法の言葉。ケセラセラって。なんとかなるって!」




菜穂に励まされて、前を向ける気がする。
確かに菜穂の言うとおりだ。

どこかで、誰にも恥ずかしくないような理由を探そうとしてた。
立派な動悸を持って未来を決めないとって意固地になっていたような気もする。



ケセラセラ。
お父さんに教えてもらってずっと唱えていたはずなのに。
そんな私が全然できてなかったんだ。



「菜穂はすごいなぁ。ほんと、助けられてばっかだ」

「なに言ってるの。私は楽観的なだけ。紗千のまっすぐでまじめなところ、私は大好きだよ」

「私だって、菜穂の事大好きだよ!!」



嬉しくなって菜穂に抱きつく。
ほんと、大好き。




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