現役女子高生、メイドになります!
陽菜をゴンと引き離したくて、俺が荷物持ちになったけど、自分が陽菜と二人きりになることまで考えていなかった。



丘の上にある陽菜の家は、遠くからでもよく見える位置にある。


屋敷っつーか、館っつーか、大きな家だなとは思っていたけど、近くで見たことは本当になかった。



――歩道は、両脇に寄せてある雪のせいで、ずいぶんと狭くなっていた。



俺は後ろから、陽菜の首元でぐるぐる巻きになっているマフラーをぼんやりと見ながら歩いていた。


天気予報なんていちいち見ていないけど、昼間でもこの寒さはきっとマイナスの気温なんだろうな。



たまに陽菜の鼻をすする音が聞こえてくる。
マフラーもそうだし、耳にもなんだかもこもこしたやつがついているけど、やっぱり寒いんだろうな。




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