上司な彼とルームシェア
晩餐
その晩は珍しく全員が揃うという事で、トシさんと一緒に買い出しに行き、台所で並んで夕飯の支度をしていた。

──昼間、トシさんに部屋に入るなりキスをされ、
「取り敢えず、これで機嫌は15パーセント回復ってとこかな。次はデートしてもらおうかな?」
といいながらもう一度キスされたんだった──

そんな事を思い出していると、

「ただいま。わぁ、今日は晩飯あるんだぁ。…何かお邪魔しちゃって悪いなぁ。」

と返事も返す間もなく、真波が部屋へと去っていってしまった。

やっぱりバレてる?!っと焦って俊哉を見ると、俯いて黙々とカレーの鍋をかき混ぜている。

「あの、トシさん」
「な、何?」

とこっちを向いた俊哉の顔が…耳まで真っ赤だった。

「うわぁ、可愛い…」
「見るなよっ、ってか何で分かったんだあいつまで」
「そうなんですよね……ふふっ」

「っもう、笑い過ぎ」とキスしてきた。

「なっ、見られたらどうするんですか!!」


「「見られてるよー」」という声に慌てて二人で振り向くと、かなえと幾太がニヤニヤ顔で立っていた。

「んもうっ、トシさん!!」

「ほら、飯出来っぞお前ら運んで」と私の怒りはスルーされた。でも俊哉の耳が赤いのは見逃さなかった。
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