上司な彼とルームシェア
大家さん、大丈夫ですか?
今日は金曜日。

支社長補佐様の歓迎会だ。
会社から徒歩10分程の所にある創作居酒屋を貸切りにしてある。支部の皆といっても18人しかいないので、これくらいこじんまりとした場所の方が皆と話せて楽しい。

私は事務の女の子たちと、女子会のこどく盛り上がりつつ、支部長補佐様へと視線をうつす。

俊哉は支部の男性陣に囲まれ、結構飲まされているようだが顔色ひとつ変わってない。平均年齢の高いうちの支部は、俊哉より若手は3人しかいない。なので、先輩方に俊哉が飲まされ、仕事談義に花を咲かせてるようだった。皆、この若手の次期支部長に期待を寄せているようだ。


宴もたけなわ。近くに二次会をするようなお店もないので、皆一次会で解散となる。事務の女の子たちは電車組、私は徒歩なので帰りは一人だ。電車組の男性陣はこれから街へ繰り出すらしい。

徒歩組の支部長は年長の飲み過ぎた崎田さんを送るとタクシーに乗っていってしまった。

後の徒歩組は長谷川支部長補佐。いつの間にか缶コーヒー2つを手にし、

「由紀恵ちゃん、お疲れ。帰ろっか」

と缶コーヒーを差し出す、すっかり大家さんバージョンの俊哉にふっと力が抜け、

「お疲れです。ありがとうございます」

と素直に受け取り、二人で支部の人達の話をしながら同じ家へと歩いていった。
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