【短編】お菓子な関係
「好きです」
っ?!
こちらをまっすぐみて、私の手を包み込んでる星川くんははっきりとそう言った。
それは私の心の声でさえも言わないでおいたセリフ。
なんでそれを星川くんが…?!
「嘘」
茶化してるに決まってる。
「ほんと」
絶対嘘だ。
「……」
「……」
「嘘」
「ほんとだって〜」
そう言って、制服のカーディガンで顔面を覆う星川くんは、やっぱり年上なのに可愛いって言葉がよく似合っていて。
「すげぇ焦った。吉岡が最後なんて言い出すから」
「……」
「好き」
「……」
「ねぇ、吉岡好き」
「……」
「こんなに好きなんだけど、どーしてくれんの」
好きな人にこんなに好きを浴びせられている。
頭真っ白で、どうしていいかわからなくて、なんか熱くて泣きそうで。
「…えっと、プリン、もう1つどうぞ」
「…んだよそれ」
ため息混じりで星川くんがそう吐く。
「…す。………私も好き…です」
私がそういうと、星川くんはすごく驚いた表情をしてから、少しニヤッとした。
「じゃあ、」
っ?!?!
星川くんは少しだけ片方の口角を上げると、グッと顔を近づけて来た。
星川くんは、私の鼻と自分の鼻を重ねてから、
「もっと甘いのちょうだいよ」
いつもより少し低い声でそう吐くと、
いつも作るお菓子よりも何倍も甘い
キスをした。
───END───
