夢色メイプルシュガー


『できたー!』


初めての手づくりケーキ。

見た目はそこそこ?

うん、結構いいんじゃないかな。


あとは、お母さんが帰ってくるのを待つだけだ。


……あぁ、緊張しちゃうなあ。

どんな反応が返ってくるのか、ちょっぴり怖い。


だけど、

楽しみ。

そんな感情も確かにあった。


どうか、美味しくできてますように……。



はっ!


『お誕生日おめでとう!』


お母さんがリビングに入って来ると同時に、私は元気に声を飛ばした。

そして──。


『お母さんに、プレゼントがあります』


震える唇。

緊張は最高潮に達した。

< 83 / 228 >

この作品をシェア

pagetop