【完】せんぱい、いただきます。
ちょうどきた電車に乗り込む。
空いていたシートに座って車窓の流れる景色を見ていると冷静になった。
ごめん。樹くん。
私、好きな人とじゃないと付き合えないよ。
ケータイの受信メールを見た。
先輩と重ねたメールのやりとり。
とてもそっけない文面。
電車を降りて電話を掛ける。
プルルル プルルル プルルル・・・
私は電話を切った。
こんなときに繋がらないなんて。
部屋の鍵を開けて暗い部屋の中でベッドにうつぶせになる。
どれくらい時間がたったのだろう。
突然、ケータイが震えた。