【完】せんぱい、いただきます。
「あのさ、そういう顔は、反則だと思うよ。
ため息をついた先輩。
そうして、袖を握っていた私の手をゆっくりと離した。
「俺じゃなかったら、何されてるかわかんないよ?」
私はもう一度、先輩の袖を握る。
「実紅ちゃん?」
先輩が私をのぞき込んだ。
顔が熱い。
はあー、と長いため息が漏れるのが聞こえた。
「あのさ、今日はそっち狭くなるけど、一緒に寝ていい?」
私はこくっと小さくうなずく。
そうして、先輩は私をベッドの壁側に、
自分は床の方に寝るように体を寄せた。
先輩の甘い香りに包まれる。
お風呂上りだから、香水とかしていないはずなのに。
私と同じジャンプ―のはずなのに。
全然違う気がして、とてもドキドキする。
自分から誘っておいて、こういうのもなんですが。
こんなにドキドキしてたら眠れない!どうしよう!
そんなふうに思ってたけどね。
気付いたら朝でした。
「ドキドキしすぎて寝れないんだけど」
夜中に漏らした先輩のひとりごとに、私が気づくはずもなく。