【完】せんぱい、いただきます。

「・・・実紅ちゃん」


「は、はい!」


「俺が言うのもあれだけど、向こう行っててもいいよ」

「でも」


彼女になったから、少し浮かれてた。

「でも、何?」

「料理してる先輩を見てたいっていうか」

「は?」


先輩の声は冷たい。


「すみません、調子に乗りました」

すぐに謝る。


少しへこむ。



もっと、先輩を見てたい。



もっと先輩に触れたい。


もっと先輩といろんなことしたい。


一緒にキッチンに立ってみるとか。



「あ、いや。別に謝ることじゃないけどさ。」



そこで言葉を切って先輩が私の方を向く。



「その、俺だって、見られるばっかじゃ恥ずかしいから。」





先輩の耳、赤い。





「・・・」



「実紅ちゃん、何か言って!」


「先輩、好き。」


「はぁ。」



先輩のため息。



自分の発言にびっくり。

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