溺甘副社長にひとり占めされてます。
「これでも読んで、ちょっと待っててね。俺も、すぐに終わらせるから」
「ゆっくりで良いです。この後予定もないですし、のんびり待ってます」
私の返答に彼は苦笑いする。そして、そのまま椅子に腰掛け、ノートパソコンと向き合う。
渡されたカタログはどれもアパレル系のそれで、その中には私の好きなAquaNextのものもあった。
どれを見ようかなと表紙を眺めたけれど、やっぱり手に取ってしまったのはAquaNextだった。
「可愛い」
ぱらりとページをめくり、うっとりしていると、「ところで、美麗ちゃん」と白濱副社長が私に声をかけてきた。
「なんですか?」
一応返事はしたけれど、紙面から顔は上げられなかった。完全に、AquaNextの世界へと気持ちが持って行かれてしまっていた。
可愛らしさや大人っぽさの中に、品がある。やっぱり好きだ。
笑みを浮かべながらページをめくろうとした時、ソファーの横に人の気配を感じた。
顔をあげれば、ふて腐れたような顔で白濱副社長が立っていた。
どうしたのかと思いながら、彼と見つめ合っていると、突然、彼が私からAquaNextのカタログを取り上げた。