笑顔をくれた駅員さん



_____…




「キャーっ!」






「ち、ちょっと優衣!声大きいから」






私は昨日の出来事を優衣に話しているところだった。






口に出すと恥ずかしかったけれど、それよりも嬉しかった気持ちの方が大きかった。






「ねぇ!写真とかないの?」






「えっ…写真って撮るものなの?」





よくSNSでカップルが写真を撮ったりしているけれど付き合っていなくても撮るものなの?






「え!?撮るじゃない!嘘でしょ?なんで撮らなかったのよ~」






優衣は足をバタバタさせて悲鳴をあげていた。





「そりゃあ優衣だからでしょ?私みたいな目立たない子は基本男の人と自撮りなんてしないんだから」






自分から写真撮ろ?って言って近づいて2ショットなんて私には出来ない。






すぐ真横に駅員さんの顔があるし、駅員さんが自撮りが嫌いな人だったら引かれちゃうかもしれないから嫌だ。








「まあ、莉子はそうだろうね…次は撮るんだよ?ラーメン屋また行くんでしょ?」







「う、うん…頑張ってみるね」







次の約束を思い出しただけで顔が赤くなるのが自分でもわかる。






きっと茹でダコみたいになっちゃってるんだろうな。



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