好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


海雨の退院祝いで、四人で出かけることはたまにあった。
 

ふと、母と同じ顔のシスコンを思い出した。


「もし出来たら、ママ――母の妹も一緒していいですか?」


「真紅ちゃんのお母さん、妹さんいるの?」


「はい。その関係で影小路の家にも戻ることになったんです」


「いいわね。お話ししてみたいわ」
 

にっこりする海雨の母に頭を下げて海雨にも声をかけて――海雨はまた布団にくるまってしまったので――、病院をあとにした。
 

海雨は何かあったのだろうか。


心配だけど、本人が話せるのを待つよりほかないようだ。
 

黎に逢えない淋しさと、海雨の心配。


真紅の心を占める大部分は、大事な人たちのことだ。
 

明日から、黎と少し逢えない日々。
 

……淋しさも、黎との恋の一部だと言い聞かせて。

< 242 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop