好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「最初に逢ったときが、あれだったしねえ」
 

最初の黎は、吸血鬼だった。


今は鬼性を失った黎と、反対に陰陽師としての力を取り戻した真紅。


こうして、並んで歩けるなんて思っていなかった。


「……思い出させて申し訳ないけど、真紅を襲った奴のこと、黒藤たちは何か言ってたか?」


「烏天狗、だって。やっぱり私の力目当てだったみたい。私はまだ接触してないけど、白ちゃんと黒ちゃんが応対してくれて――」


「うん?」


「……烏天狗、全部が黒ちゃんの配下に下ったんだって……」


「……相変わらずだな、黒藤は」
 

真紅は片手で額を押さえた。

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