好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】
黎と架の出生は複雑だ。
しかし兄弟仲は悪いわけではないようで、架は兄を思って黎を跡継ぎにと推し、黎は架とその母のために家を離れた。
「……黎は、おうちを離れて淋しくないの?」
「淋しい? ――くは、ないかな。小埜の家にいる時間の方が長いし……誠さんと美愛さんと弥生さんはテンションが疲れるし……」
「テンションが疲れる?」
「真紅には、四人のことは話しただろ? あれは桜城内部では知られてはいない話なんだけど、別にドロドロしたことがある人たちでもないから、すごく仲がいいんだ。
内情を知らない人は不思議がっているけどな。
そんで、仲が良すぎて言動が同じ方向で、ノリが良すぎてテンション高すぎて……相手するの、疲れる」