好きになった子は陰陽師になった。ーさくらの血契2ー【完】


「やよい? どうしたの」
 

弥生に応じて出て来たのは、銀髪に銀色の瞳の小柄な女性だった。


一目で黎の母だとわかる。


少し長めの髪はゆるくウェーブがかかっていて、どこぞの貴人の趣(おもむき)だ。


「美愛! 黎の彼女よ! 見つけちゃったから連れて来ちゃった!」
 

興奮気味の弥生の言葉を聞いて、美愛は六回、瞬いた。そして、


「えーっ! レイの彼女? あ、レイ!」
 

弥生の後ろにいた二人を勢いよく見て来た美愛。


やはり興奮していて、一目散に真紅の前にやってきた。


「あなたが? 可愛い女の子ね」
 

微笑む彼氏の母親に口説かれた。

< 71 / 327 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop