【短編集】もうひとつの物語
初恋は叶わないというけれど。
好きになる人を、間違えたと思った。
私にとって、はじめての恋だった。
あきらめるしかない恋だった。
それでも君が、好きだった。
*
恋って、素敵なモノだと思ってた。
甘くて、ふわふわしてて、幸せなモノなんだって思ってた。
悲しいとか、切ないとか言われてるけど、それでも綺麗なモノだって、そう思ってた。
でも、そうじゃなかった。
恋の形は、人それぞれで。
ぐちゃぐちゃで、どろどろで。
それでも、きらきらと輝いていて。
*
―――初恋は叶わないと言うけれど。