キミへ告げる想ひ

2,

練習はいつも2時間ほど行っていた。

最初の頃は体力づくりをメインにメニューが組まれ、

5回目あたりからはステップなどのダンスの基礎をやり、

そして最近になって『チャイム』のフォーメーションなど具体的な動きに入っていった。


「1、2、3、4。1、2、3、4…」

教室の中は、水沢さんの声だけが響いていた。

楽曲の頭の部分を何回か繰り返し、次の入りを確認したところで本日の練習は終了となった。

「みんなー集まって」

水沢さんが集合をかけた。

「ま、あんたたちやっと様になって来たって感じだね。
でも油断は禁物。

慣れたからって気ぃ抜くと怪我するからね。

あたしもバレエ始めたての頃に教室中で思い切りジャンプして着地失敗して骨折したことあるんだからね。

あたしみたいにならないように注意」

「す…すごい」
< 124 / 431 >

この作品をシェア

pagetop