キミへ告げる想ひ
「で、『チャイム』の話に戻るけど、
うーん、正直言うとまだ曲のスピードに慣れてない人が何人かいるね。

一応全員分言っておくから次回から気をつけるようにしなさいよね。

まず最初は桂碁君から。
一応全体的にオーケーだね。
曲のスピードにも十分付いていけてると思うよ。

でも、一つ一つの動きが一定じゃないかな。
アドバイスとして、自分の動きを一つ一つ指の先端まで形を意識してみるようにしてみて。
それだけでも見た目は変わるから。

次は、菜々子ちゃん。
久しぶりにあなたが踊っているところを見たけど、正直言ってその時のほうがよかった。
というのも、まだ昔の感覚から離れられていないのかなって思うときがある。

今度鏡の前で踊ってみることをオススメするわ。
そうすれば自分の動きがどこがよくてどこが悪いかがよくわかるでしょ？」

「はい…」
そう答えた菜々子の声はいつもよりも小さかった。

そのあとも水沢さんの講評は続いた。
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