キミへ告げる想ひ
12-『チャイム!』

1,

予選が行われるのは十三時からで、
桂碁たちのグループ『Loving Flowers』のステージは
十四時から行われる予定だった。

桂碁たちのクラスである三組は、

桂碁たちがステージに上がるという理由で店は出さないことになっていた。

それを決めたとき、四組のほうも同じ決断だった。

華が言うには、男子の半数以上が出店をめんどくさいと言ったのが理由らしい。


「じゃあステージの一時間前に三組に集合するってことでいいよね?」

そう真紗実が言った。

開会式が終わると、その場で各自解散となった。

そして、桂碁たちはその足で三組の教室に戻ってきていた。

「あれ、みんなで回るんじゃないの?俺ずっとそうかと思ってたんだけど」

「8人で回るのは大変だよ。
それに菜々子は委員会で受付の仕事があるし、
そのあとは吹奏学部の演奏だよ。

まあ、それは私もだけど。

あと純子も実行委員の仕事あったよね、確か」

淋がそういうと純子は頷いた。

「うん、あるよー」

「そっかー。
全員は無理だよね…」

「桂碁、仕方ないから文化祭の暇組だけで回ろうよ」

華は、そう言って桂碁の首に抱きついてきた。
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