キミへ告げる想ひ
13-ハバタケ

1,

音楽が鳴り響くそのわずかな時間を彼女たちは全力で駆け抜けた。


すぐに緊張もとび、八人とも自然に顔が笑っていた。


全員が我に帰ったのは、


踊り終え観客の拍手が講義室全体に鳴り響いたときだった。


「ありがとうございました」

桂碁たちのその声とともに目の前にある幕はゆっくりと下ろされていった。

舞台袖に下がると達成感が桂碁たちの中に広がっていた。

「俺たちやったんだよね…」

「うん。
ステージで踊りきった」

「拍手もすごかったよね…」

そう言った冬実の横顔はどこか満足気であった。
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