キミへ告げる想ひ
そしてふと気が付いたときには、講義室の人は殆ど捌けていた。

桂碁たちは目を合わせ、頷き、
そして実行委員の元へと向かった。

抗議ではなく自分たちの点数が何点だったのか聞きにいくためだった。

「すいません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど…」

まずは桂碁が言った。

「はい、何ですか?」

先ほど有志担当の実行委員といった例の彼はそう言って、桂碁のほうを向いた。

そして、桂碁が点数のことを聞こうとしたときあっと言う声が聞こえた。

「有志担当の実行委員って深野君だったんだ…」

菜々子がそう言った。

「あ、大原さん。有志発表に出てたんだ、全然気づかなかった。

で…大原さんはそこの彼と一緒のグループ?」

「うんそう。
この8人で今日出てた」

「そうだったのか…。
もっとよく見ておけばよかった。

それで、俺に聞きたいことって?」

最後の部分はどうやら桂碁に向けられたものだった。

「えっと…、
俺らのグループ名は『Loving Flowers』て言うんですけど

自分たちの点数が何点だったのか出来れば教えてもらいたいんですけど…」

「あ…ここに来たってことは本選にいけなかったってことか…。

ちょっと待ってて」

彼はそう言ってポケットから折りたたまれた白い紙を取り出した。


おそらく先ほどのと同じ紙だろうと推測した。
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