キミへ告げる想ひ

3,

二月も中旬に入ると、
ついに卒業式一ヶ月前となり、学校全体はそれに向けて慌しく動き始めていた。


そして、
桂碁自身も前々から考えていた『華へのプロポーズ計画』を実行に移し始めていた。


今年の華への誕生日プレゼントは、
プロポーズをするとなれば、贈るのはもちろん婚約指環だった。


そして、それを買うために2月10日、華を除いた六人と桂碁は、

指環を買うため宝石店に行くことになっていた。


桂碁の家から電車で2時間ほど行ったところにそれはあった。


今回真奈たちを連れてきたのは、

桂碁が一人で行くよりは女子も一緒にいたほうがいいのかも…

というのと、

真奈たちには以前、華の好みを聞き出してもらっておいたのでそれを聞くためだった。


店に入り、
華の好みを聞いてみると、

“桂碁からもらう指環だったらどれも好き”だということだった。


桂碁は華の好みを基に指環を選ぼうと思っていたので
すっかり困り果ててしまった。


結局華は、桂碁からもらう気のようだった。
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