キミへ告げる想ひ

3,

「そう言えばまだみんなはまだだったよね?」

真奈はそう言うと冬実たちの方を向いた。

あのときからもう、二十分ほど経っていた。

その間は特に彼女たちと、話をすることはなかった。


「みんなは言わなくてもいいの?」

それは冬実と純子と菜々子と淋の四人に向けられた言葉だった。

「何を?」

問い返したのは冬実だった。

「ねぇ、うちらは何で桂碁を誘ったんだっけ?」

彼女たちの真実を知らない桂碁は一瞬何のことだかわからなかったが、誘われたときのことを思い出し、その意味を理解することができた。

「それは…、」

菜々子はそう言いつつ桂碁のほうを向いた。
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