キミへ告げる想ひ
そして、ふと華の方を見てみると彼女の目は、充血していた。

「まぁ…私はさ、見た目は女で自分でも女としての自覚もある。

それに好きになる相手も男性だし、
『男になりたいな』なんて思ったこともないし…」


華はここまで言ったところで一息ついた。


「だから…。

だから桂碁みたいに体と心の性が違うって感覚は私にはわからないし、

桂碁がどれだけつらい思いをしてきたかなんて、

全然......理解できない。

でも私は、誰が何と言っても、それが桂碁であったとしても、

私は桂碁のこと大好きだから!

桂碁の心が完全に女になっちゃって、
私に振り向いてくれなくなっちゃっても…」

もう最後の方は声がかすれて聞こえにくくなっていた。
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