愛し紅蓮の瞳
第一話 異世界トリップ
「さむっ……」
家を出た瞬間、私は思わず肩をすくめた。
吐き出した息は白い。
十二月も終わりに近づいて、今日も朝から雪が降っている。道路の端には昨日までに積もった雪が残っていて、歩くたびにスニーカーの底が冷たく濡れる。
「……これも、千紘のため」
小さく呟いて、私はマフラーに顔を埋めた。
もうすぐ、弟の千紘は高校受験を控えている。
本人は「まあ、なんとかなるでしょ」なんて呑気なことを言っていたけれど、なんとかなるなら姉の私がこんな寒い日に神社まで来る必要なんてない。
そもそも、千紘は勉強が得意じゃない。
むしろ苦手だ。
テスト前だって机に向かっているかと思えば、いつの間にか漫画を読んでいるし、勉強すると言いながら気づけばベッドで爆睡している。
これで受験生なんだから、本当に大丈夫なのかと心配でたまらない。
……まあ。
もし落ちたらそのときはそのときだし。
働けばいいや、なんて。
呑気なところは誰に似たんだか。
「……でも、やっぱり受かってほしいよね」
誰に言うでもなく呟いて、私は神社へ続く石段を上った。
家を出た瞬間、私は思わず肩をすくめた。
吐き出した息は白い。
十二月も終わりに近づいて、今日も朝から雪が降っている。道路の端には昨日までに積もった雪が残っていて、歩くたびにスニーカーの底が冷たく濡れる。
「……これも、千紘のため」
小さく呟いて、私はマフラーに顔を埋めた。
もうすぐ、弟の千紘は高校受験を控えている。
本人は「まあ、なんとかなるでしょ」なんて呑気なことを言っていたけれど、なんとかなるなら姉の私がこんな寒い日に神社まで来る必要なんてない。
そもそも、千紘は勉強が得意じゃない。
むしろ苦手だ。
テスト前だって机に向かっているかと思えば、いつの間にか漫画を読んでいるし、勉強すると言いながら気づけばベッドで爆睡している。
これで受験生なんだから、本当に大丈夫なのかと心配でたまらない。
……まあ。
もし落ちたらそのときはそのときだし。
働けばいいや、なんて。
呑気なところは誰に似たんだか。
「……でも、やっぱり受かってほしいよね」
誰に言うでもなく呟いて、私は神社へ続く石段を上った。