狂愛彼氏
「なんかあったの?」
愛麗が聞くと、まぁねと優さんは笑う。
「この車、買ったばかりなんだけどさ、助手席に一番に座ったのが俺なのに腹立てて」
「?」
首を傾けると優さんはニヤリと、隣で運転している疾風を盗み見る。
疾風は見えているのかいないのか、優さんに余計なことを言うなと睨みを効かせる。
「一番は、遥ちゃんを乗せたかったみたい」
でも、分かってたから助手席に座ってやったんだー。
(め、迷惑な!!)
優さんの話に私は、ため息を一つ。
機嫌が悪いと、怖いんだよなぁ……
「悪戯したら駄目だよ?」
「クスクス、ごめんごめん楽しくてさ」
こっちは全然楽しくないけど。
今にもベタベタしそうな二人に、優さんが後ろに座ればよかったのに、と思った。