私の恋した誘拐犯【完】
ただその背中を見つめ続ける。



「…いや、なんでもねーや」



振り向いてニカッと笑うたくちゃんに、なんとも言えない違和感。



「なに?どうしたの?」



「なんでもねーって」



再び歩き出したたくちゃんに、さっきまでの雰囲気はなかった。



「変なの〜」



「はいはい、変ですよ」



ビュウっと冷たい風が吹き、秋本番の寒さを伝える。
< 259 / 530 >

この作品をシェア

pagetop