私の恋した誘拐犯【完】
それなら洋くんがどこにも行かなかったとして同じこと。
私の元には初めからいない。
洋くんが何か思ってくれればいいのに、なんてふざけた気持ちが原因でたくちゃんと付き合った。
どれもこれも私は最低なことばかりだ。
勢いよく顔に当たるシャワーが、流れ落ちて足元に溜まっていく。
______________
「洋くんあがったよ」
タオルで頭を拭きながら洋くんを呼べば、またしても洋くんは読書に夢中。
下がる眼鏡を上げる指。
文字を追う瞳。
私の元には初めからいない。
洋くんが何か思ってくれればいいのに、なんてふざけた気持ちが原因でたくちゃんと付き合った。
どれもこれも私は最低なことばかりだ。
勢いよく顔に当たるシャワーが、流れ落ちて足元に溜まっていく。
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「洋くんあがったよ」
タオルで頭を拭きながら洋くんを呼べば、またしても洋くんは読書に夢中。
下がる眼鏡を上げる指。
文字を追う瞳。