私の恋した誘拐犯【完】
まさか演技だったなんて、と開いた口が塞がらない。



「ちょっと期待してたんだけど」



「期待って…」



「今日は何するのかなーって」



ハハッと笑った洋くんが本を閉じて立ち上がる。



「こ、今度はイタズラするから!」



そんな洋くんを見上げて必死に言う私を



「な、なに…」



洋くんはしばらく見つめてきた。
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