その男、カドクラ ケンイチ
業後、
カドクラはエンドーに会いに屋上に向かう。
「はぁ~」
何やらため息をつきながら煙草を吸うエンドーがいた。
「お疲れ様です。」
カドクラはエンドーに声をかける。
「おぅ・・」
「何か元気ないですね。」
エンドーはポケットから紙を出す。
「これ見てみ。」
カドクラは紙を受け取る。
『抱かれたくない教師ランキング』
と紙には書かれていた。
「何ですかこれ?」
「広報部の連中がよ。
“好きな先生ランキング”
ってアンケートを先週取ったらしいんだけど、
そん時に遊び半分で女子にこのアンケート取ったらしいわ。」
第1位 ムトウ
第2位 タケダ
・
・
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第5位 エンドー
「エンドー先生ベスト5に入ってるじゃないですか!」
カドクラは大笑いする。
「あ~これで俺の女子高生補完計画は夢と消えた。」
エンドーはとてつもなくショックを受けている様子だった。
「ちなみに好きな先生ランキングの1位は誰だったんですか?」
「1位はモモちゃん。2位はムラマツ。」
好きな先生ランキング
第1位は保健室の先生、モモイだった。
男女問わず好かれている理想の教師像である。
バンッ
エンドーがカドクラの尻に蹴りを入れる。
「なんですか。」
「おめぇは4位だ馬鹿。調子乗んなよ。」
「マジですか!?」
堂々秀高校に来てまだ間もないのに4位とは。
カドクラはにやける。
「男は顔じゃねぇんだよ。ハートだぜ。」
エンドーが負け犬の遠吠えを吹かす。
「だからかなぁ。」
カドクラは今日の違和感の理由と結びつけようとする。
「何が?」
エンドーが尋ねる。
「今日なんか朝からいろんなクラスがこそこそ騒がしかったんで。
変な寝癖ついてるのかって気にしたんですけど。」
「そういやぁ売店でも何か俺らのことチラチラ見てくる奴いたなぁ。
・・まぁ悪い気はしないけど。」
「気になりますよね。」
エンドーが煙草を消す。
「そういう時はうちの情報屋のとこ行くぞ。」
「情報屋?」
2人は屋上から校舎に戻る。